こども家庭庁についてわかりやすく案内。いつからはじまる?何をするの?私たちの暮らしへの影響は?

暮らし

新しく新設されるこども家庭庁。

子育て中の家庭やこれから子どもを持ちたいと考えている家庭は気になるところでしょう。

こども家庭庁はいつからスタート?

なぜつくられるの?

何をしていくの?

私たちの暮らしにどう影響していくの?

などをわかりやすくご案内します。

こども家庭庁はいつからスタート?

こども家庭庁は2023年4月1日よりスタートします。

では4月からメンバーが集まってスタートするのかというと、実はそうではありません。

既に「こども家庭庁設立準備室」として様々な準備がはじまっています。

具体的には子どもや子育て中の人と意見交換やWEBアンケートの実施などが既に行われており、それらを元に施策検討が始まっています。

子ども家庭庁の取り組みについて、2023年3月末までは内閣官房ホームページの「こども政策の推進(こども家庭庁の設置等)」にて情報が公開されています。

現在の取り組みを知りたい方はご覧ください。

こども家庭庁とは?わかりやすくご紹介

子ども家庭庁とは

わかりやすくお伝えすると

「こどもまんなか社会」をコンセプトに、こどもを中心において政策を進めていきます。子どもと子育てにかんする政策の司令塔となります。

主に妊娠~18歳までの子どもと子育てしている人を支援。(ヤングケアラーなど政策により30歳位まで含まれます)

子どもまん中社会をコンセプトにしているので、こどもや子育てしている人の視点に立って政策を考えたり、各省庁などとこども政策の調整を行いますよ。

今まで各府省にて縦割りで行われていた子ども政策を、今後はこども家庭庁が中心となって進めていくことで国民ファーストになることを目指していくのですね。

体制について

わかりやすくお伝えすると、

子どもや子育てする人への施策について、今まで各府省庁がそれぞれで進めていたので、こども家庭庁という新しい組織を1つ作り、今後は子ども家庭庁が中心となって進められる体制にします。

具体的には、今まで内閣府の中にあった「子ども・子育て本部」や厚生労働省の「子ども家庭局」がこども家庭庁の中に入り、また今まで厚生労働省の管轄だった「保育園」、内閣府の管轄だった「認定こども園」もこども家庭庁の管轄に変更になります。

有識者などをメンバーとする「こども家庭審議会」が設置され、子どもや子育てに関する重要事項、子どもの権利や利益を擁護するための調査や審議が行われます。

ここで話し合われていることが実際の施策になっていくことが多いので注目していきたいですね。

こども家庭庁は5年をめどに組織や体制の在り方を検討し、必要に応じて見直されます。

さらにわかりやすい「こども向け資料」

こども家庭庁設立準備室では、こども向けの資料を用意しています。(2022年9月作成)

大人向けの資料は難しく書かれていることが多いので、大人もこちらの資料をご覧いただくとわかりやすいです。

なぜこども家庭庁?その背景をわかりやすく解説

こども家庭庁が創設される大きな理由として急激な少子化に歯止めをかけたいことがあります。

日本の年間出生数は、第一次ベビーブーム(1949年)は270万人、第二次ベビーブーム(1973年)は209万人でした。

その後は少子化が進み、2016年には100万人を下回り、2019年には90万人を下回り、そして2022年には80万人を下回り、少子化は加速して歯止めがかかりません。

合計特殊出生率は2022年度1.27と7年連続で前年を下回っています。

日本は少子化対策として、子どもを産みやすい社会、そして子育てやすい社会にしていくことが重要課題です。

また、児童虐待、いじめや不登校、こどもの貧困、ヤングケアラーなども社会問題となっています。

児童虐待相談件数は、2007年は約41,000件でしたが2021年は207,000件と約5倍に増加しています。

いじめの認知件数は特に小学校で増加しており、2014年では約20万件でしたが、2021年に60万件を超えています。40万件も増加してるんですね。

こどもの貧困においては、ひとり親家庭の7人に1人が貧困状態となっています。

これらの社会問題を解決していくために、2022年6月、国会にて「こども家庭庁設置法」と「こども基本法」が成立。今まで縦割りで行われていた子ども支援、子育て支援に関する様々な施策を「こどもまんなか社会」をコンセプトにこども家庭庁が中心となって取り組んでいきます。

こども家庭庁は何をするの?組織と役割をわかりやすく紹介

こども家庭庁は3つの組織で構成されています。各組織について簡潔にご案内します。

「長官官房(企画立案・総合調整部門)」

全体をとりまとめる部門です。

子どもの視点、子育て当事者の視点に立って政策を考えます。各府省庁が別々に行っていた子こども政策をまとめたり、子どもや若者、子育て当事者から意見を聴いたり、子どもに関するデータをとりまとめたり、情報発信などします。

「こども育成局」

こどもの育ちをサポートします。

主に妊娠~出産~就学前までの子どもの安全・安心な成長のための政策を考える部門です。

妊娠~産後の支援、保育園や幼稚園のあり方を検討したり、事故や犯罪などを防ぐ子どもの安全に関する施策を考えます。

「こども支援局」

特に支援が必要なこどもをサポートします。

虐待やいじめ、ひとり親家庭、障害児支援など、子どもの育成に困難がある家庭の支援を考える部門。最近増加しているヤングケアラーへの支援なども含まれます。

子ども家庭庁 現在の取り組み(2023年3月現在)

先ほどもお伝えしましたが、4月1日以前より既にこども家庭庁準備室として取り組みはスタートしています。

例えば、

こども・若者が意見を言いやすい仕組みについて、こども・若者へWEBアンケート、こども霞が関見学デーなどを実施しました。

「妊娠や出産等の手続きに関するアンケート調査」(2023年2月15日~3月22日)をWEBで実施しています。

今後も、国民が直接声を届けられるアンケート調査などをすることも考えられます。

定期的にこども家庭庁のホームページをチェックしましょう。

こども家庭庁、私たちの暮らしへの影響

こども家庭庁の取り組みは、子どもと子育てする人々の暮らしに影響します。影響すると思われるものをピックアップしました。

例えば

・妊娠~出産の各種手続き、妊婦検診や出産にかかる費用など

産後ケアの内容、産後ケアにかかる費用、各種手続きなど

・産後うつや児童虐待を未然に防ぐための施策など

・保育園、学童の待機児童の解消、保育者の人員配置や待遇改善など

・障がいのある子どもへの支援など

・ヤングケアラーの把握と支援など

他にもあるでしょう。皆さんにとってどんなことが影響しそうか家族や友人と話し合ってみるのもこども家庭庁を身近に感じるきっかけになるのではないでしょうか。

また、こども家庭庁は働き方改革についても率先して取り組むとしています。

2023年3月7日に下記に取り組むと発表しました。

・男性委職員の育休100%取得を目標

・勤務間インターバル11時間(終業から次の始業まで11時間あける)

・DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進して紙の使用量を3年以内に半減

その他、こども家庭庁における働き方改革の基本方針及び目標はこちらから

こども家庭庁が率先して働き方改革に取り組むことで、企業や家庭も男女共に子育てしやすい社会風土が浸透していくことが期待されます。

こども家庭庁は私たちの暮らしに影響していきます。

こども家庭審議会や各種委員会の議事録などをチェックしていくと、現在どのようなことが話し合われているか、これから何が決まりそうか、などがわかります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

こども家庭庁について、いつからスタート? こども家庭庁とは? 何をするの? 私たちの生活にどう影響するの? などをわかりやすくご紹介しました。

こども家庭庁は私たちの暮らしに直接影響する政策を取り扱います。こどもと子育て中の人々はこども家庭庁の動向に注目するとともに、国民へのアンケートなど機会があれば私たちの声も届けていきたいですね。

プロフィール

保育園と小学生の2児、そして妻と4人家族。
毎日仕事と育児に追われていますが、それが楽しい日々。
子育てや日々の暮らし、季節イベント、ニュースや時事ネタ、
お仕事など身近なテーマについて消費者視点を大切にしながら
情報を提供していきます。
(40代・会社員)

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